公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」の融資を受けるには?

商工会議所の窓口相談をやっているので日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」の融資相談を受けることがよくあります。ここでよくある質問と回答は下記の通り。

Q.創業計画書の書き方がよく分からない
A.創業計画書のExcelフォーマットや記入例は公庫HPにあります。具体的内容については公庫の「創業の手引き」(一般用)(美容版)(飲食版)が参考になるので見ながら書いてください。

※公庫としては「この人はお金を返せるのか?」という目線で見ています。なので、創業計画書は「この新事業に対する知識・ノウハウを十分に持っています」「独自の仕入れルートを持っているので競合に勝てます」「店舗は立地が良く十分な来客が見込めます」「顧客の目処も付いています」「売上の目処も立っており、返済に十分な利益も得られます」といった具合の内容を書いて「私は返せます」とアピールする必要があります。(もちろん、事実ベースで書いてください。)

Q.借金が結構あるのですが書かない方がいいですか?
A.正直に書いてください。公庫を初めとする金融機関は、融資・返済履歴を信用情報機関で共有しているので隠してもバレます。(隠していてバレると心証が悪くなります。)

Q.報酬を出すので創業計画書を書いてくれませんか?
A.報酬の相場としては「融資成約額の5%」となります。でも、せっかく融資を受けられたのに5%取られるのは勿体ないし、「創業の手引き」を参照すればわりと簡単に書けると思うので、ご自身で頑張ってみてください。
  ⇒ある程度、創業計画書が書けたら、商工会議所の相談窓口(無料)でも書き方のアドバイスは受けられるので活用してください。

Q.報酬を出すので融資面談の場に同席してくれませんか?
A.公庫の融資面談では、専門家の同席は通常断られるので無理です。

Q.融資担当をご存じでしたら紹介してくれませんか?
A.(この質問は受けた診断士によりますが、、)私は融資コンサルタント協会に所属しているので、日本政策金融公庫 大阪広域営業推進室経由で全国(沖縄を除く)の担当者を紹介できます。

Q.どのタイミングで融資申込みしたら良いでしょうか?
A.公庫HPには「事業開始後おおむね7年以内の方」と書かれているので迷いますね。個人事業なら開業届提出後、法人であれば登記後が良いでしょう。なぜなら、創業1年以上で決算書が出てからだと決算書の内容まで審査されるからです。。でも、だいたい1年目って辛いですよね。なので「創業直後に申込みを」です。決算書は無く決算書審査も無いため創業計画書の善し悪しで融資が決まります。

Q.自己資金はいくら用意したら良いの?
A.融資申込み額の1/3程度の自己資金を用意しておくと融資が通りやすくなります。最低でも1/5ぐらいは必要でしょうか。。なお、特定創業支援の証明を取ると「創業資金総額の10分の1以上の自己資金要件を満たしたもの」として取り扱ってくれますが、これは結局、形式として融資申込みを受理してくれるというだけで融資が通るという話ではありません。
⇒公庫の中の人の話によると「自己資金ゼロで融資が通った事例は、自身が取り扱ったことも同僚から聞いたことがない」とのことでした。

なおもし、公庫へ融資申込みして謝絶された場合は融資謝絶の理由を聞いてください。
⇒半年経過すれば再申込みができるので、謝絶された原因を解決してから再チャレンジしましよう。

こんなところですかね。。また思い出したら追記します。